
前置胎盤疑い!(2)

ここ数日、自分の中では
12回目にして人生ラストのお産は、
初の帝王切開で決まりかな、と思っていました。
前置胎盤だったら。
さらに癒着胎盤だったら。
臍帯付着位置にも異常があったら。
妊娠中の大出血で
緊急早産になるかもしれないし、
お産事態も母子の命に関わるレベルの
大出血を想定しないといけません。
わたしが今、置かれている状況は
決して楽観視できない。
と肝に銘じつつ、
子どもたち残して死ねないです!!
内子宮口付近の豊富な血流の正体も
ハッキリしないまま
前置胎盤なのかどうかの評価さえ
現時点、あいまい。
結局は、
高度医療施設での診察で診てもらわないことには
今後の方針は「・・・かもしれない論」ばかりで
具体的な予測がまったく見えてこず
なんにもわからない。
ということで!
さっそく紹介状をもって
大病院の門をくぐり
先週末、産科のトップの先生に診てもらいました。
12人目で驚かれ、
すごいすごいと絶賛され
雑談に花が咲き・・・
いや、そんなんどーでもええねんけど。
はよ、胎盤!
血圧、尿検査異常なし。
「ケトン出てるねー
糖質制限がんばってるの?
さすがだねーえらいね」
おお、言わなくてもわかるんや。
アセスメント力、鋭い!!
・・・いや、でも
そんなことも今日はどうでもいい。
胎児は順調そのもの、
32w、推定体重1963g 女の子
羊水量はたっぷり。
赤ちゃん胎内快適。
多産、高齢なのに
子宮頸管長がしっかりしてて(余裕で4cm以上)
すごいと言われ、
子宮の中は筋腫もポリープもなく
歳のわりに、なんと綺麗なんだ!
と褒められ・・・
いや、そんなんどーでもええねんって。
はよ本題の胎盤診てください。(^◇^;)
「さてさて、では
肝心の胎盤だけど・・・
あー確かに低めだね。
でも前置胎盤ではないよ。
下から産めるよ。
で、内子宮口付近の血流だけどね。
子宮の内膜が本当にしっかりしてるから
そのぶん血管が多く張り巡られているんだと思う。
胎盤も人より大きめで立派だな。
ということは、
母体⇄胎児の循環血のやりとりがとても多くて
それが内子宮口付近の血管分布が豊富。
それが紛らわしい血流としてエコーで映し出されて
評価しづらかったんだと思う。
前置血管でもなければ、臍帯付着位置も
異常はなさそう。
だから、あなたの場合、
なんにも問題ない。
よって、自己血も貯めなくていいし、
帝王切開も現時点、決める必要ない。
どちらも医学的適応じゃないよ。
年齢は高いんだけど、初産でもないし、
今、なんにも問題起きていないのに、
年齢だけでハイリスク妊婦とは言えないよねー。
多産だし、低置胎盤だし、
お産は出血多くなるかもしれないけど
それ想定して、産科人員確保のために
スタッフが多い昼間に計画分娩もしなくてもいい。
夜中でも、うちの病院は
麻酔科、新生児科、産科、
すべての人員確保、かんぺきだしさ。
ここ、どこだと思ってる?
緊急対応は昼夜問わず対応できるから
普通に陣痛が来て、
普通に経膣分娩、って思ってていい。
誘発もねー
多産で内膜が疲労してるかもしれない妊婦には、
かえって薬使うことで子宮破裂のリスク
あがるってこともあるし。
もちろん12人目だから
いったんお産始まったらスピード分娩になると
思うから、不安だったら子宮頸管熟化してきた時点で
早めに待機入院してもいいけど?
あ、それとアレだね!
家、平安座島だったよね。
台風が来た場合に、本島につながる海中道路が
封鎖されるんだったよねー。
天気図、慎重にみながら
台風次第では早めの待機入院は
なきにしもあらずだね!」
・・・わたしのお産
沖縄の天気に左右されることはあっても
妊娠経過に左右される要素は
今のところ何もない、と。(笑)
そうか~そうなのか!
豊富な血流の正体も
前の病院ではDr.複数で診てもよくわからず
だったのに、
高度医療を手がけるDr.の手にかかれば
一瞬でなんの迷いもなく
自信満々の即評価。
わたしの専門的な細かい質問にも
的確に、そのすべてに答えをくれて、
しかも説明も、ジョークも交えめっちゃ上手で
頭の中に渦巻いていたハテナがすべてクリアに
なりました!
敏腕Dr.、すごかった・・・。
かっこよすぎでした。
と、同時に、
状況は急転直下の拍子抜けです。
早めの帝王切開になること確実で
10月中に出産だと
覚悟を決めていたのに
えー結局
予定日11月8日あたりまでがんばれってことか。
しかも帝王切開じゃないのか。
まだ一度も経験したことのない帝王切開。
助産師として、自ら経験しておくことは
今後の糧になります。
だから、生きる死ぬ、にさえならなければ
帝王切開でのお産は全然アリだったんだけどな。
天候由来ではない(笑)
医学的適応による待機入院だって、
例えば切迫で入院させられる経産婦さんの気持ち・・・
上の子をどうするんだ?とか
早産したらどうしよう・・・という
さまざまな葛藤は、自分が経験しないとわかりっこない。
だから、妊娠中のトラブルを
実体験として味わせてもらう機会を与えられることに
感謝こそあれど、ネガティブな感情は
ありませんでした。
不安よりなにより、体験を通して
リアルな勉強ができることは
喜びだったんだけど・・・。
そっかー順調か・・・
ハイリスクじゃないのか・・・
いやいや、
それもありがたいことです、本当に!!
沖縄で
4軒もの産婦人科を経験させてもらったことも
きっと意味があったのだと思います。





