
助産院ばぶばぶ建築、中間報告

2020年春、大阪から沖縄に移住し
あっという間に1年1ヶ月が経ちました。
『助産院ばぶばぶ』のあるべき姿。
開業したときから変わることがない、
「こうありたい」という、わたしの思い。
こだわりまくった結果、
初期の計画から1年遅れになりましたが
現在建築中の助産院ばぶばぶは、
あと3ヶ月で完成の予定です。
大阪の助産院ばぶばぶは
戦前の古民家を大改装して造りました。
コンセプトは『まる』
赤ちゃんの『まる』
妊婦さんの『まる』いおなか
おっぱいの『まる』
優しい『まる』い心
人と人をつなぐ『まる』
古木材の重厚でディープな色味と
心落ち着く紺色のコントラスト、
アンティークなインテリアで
和の空間をトータルプロデュース、
こだわりぬいて創った
ママたちのための空間でした。
沖縄に来て、現在は小さなコンテナを利用して
妥協の仮ばぶばぶでがんばっています。
次は古民家ではないので
古きよき昭和の空間にはなりませんが、
建築するばぶばぶにも
紺・茶、『まる』のコンセプトはそのままに、
モダンな和として
大阪時代のばぶばぶらしさ、癒しの和の空間を
再現する建物にしたいと思いました。
通常、建物は、
ここにはこれだけの鉄筋がいる、
強度はこれぐらいにしないと耐えられない
などを解析ソフトに入力して構造計算し、
図面に落として建てていくそうです。
ですが、建築中のばぶばぶには
従来の「柱」「梁」といった概念がないんです!
いくらオシャレな建物でも
力学的な原理や、工学の知識を駆使して
構造がちゃんと計算されていなかったら
すぐに壊れてしまいますよね。
構造設計者の高度なチカラなくしては
美しい建築空間を作り上げることはできません。
力学的にも合理性があって
デザインとしても美しいシステムとプロポーション。
さまざまな条件を満たす建築の
骨格を考える構造デザインができる建築士さんと
出会えたことで発想が自由に広がりました。
助産院ばぶばぶらしさを発揮できるよう
もっとも適合する材料を選定し、
空間に極限まで寄り添う
繊細な構造計画に挑戦していただきました。
従来なら非構造として見過ごされる
材料、部材を構造躯体として使用していたり
屋根が浮いてるように見えたり、
必要なはずの柱や梁がなく
空間が最大限に活かされる造り。
そのためには、建物の構造そのもの、
見えない部分まで繊細にデザインする必要があり、
そのためには技術的にも高度な操作を要するそうです。
沖縄の建物は、台風対策のため
無機質な鉄筋コンクリート造りが多いのですが、
ばぶばぶは、
コンクリートの外壁に左官を施すことで
和の雰囲気をプラス。
さらに建物周囲ところどころに、
ばぶばぶならではの
コンセプトを加味した木造の壁が設置されます。
大阪のばぶばぶをご存知のあなたなら、
「うわ〜ばぶばぶだー懐かしい!!」
その外観だけでも大喜びしていただけるはずです。^ ^
わたしは絵を描く人なので
美的な追求は妥協できません。
建物はアートです。
単なる内装のインテリアデザインだけじゃなく
建物の構造的な美しさは価値あるものだと思っています。
沖縄ならではの、巨大台風、
地震や土砂災害等にも強い鉄筋コンクリートで
和の暖かさを残しつつ、
美しさや快適さと技術をどう結び付け
さらに経済的にもバランスさせるか?
もう、あっちもこっちも難題だらけですよ〜。
デザインと技術の融合。
施工主からの、やたらと細かい希望の連続で、
建築士さんはさぞかし頭を悩ませただろうと思います(^◇^;)
4月には
外壁のコンクリートが完成しました。
ばぶばぶのエントランスを飾る
シーサーも発注済です。
5月はいよいよ、浮いたように見える
三角の屋根がつく予定で
6月は内装もスタート。
7月末、完成〜!(予定)
今朝の近所の人との会話。
「助産人だいぶできてきたね〜。
いつだっけ?7月だった?」
→うん、7月末って聞いてるけど
間に合うのかなぁ?
「そう聞いてるのならきっとできるさー
来年の7月に!笑」
→・・・って、おい、1年後か〜い!!
「だってここ、沖縄さ!」
大阪人が大好きな、オチのある会話が
心地よい朝でした。
ざぶとん1枚!





