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2021.08.26

重なった胎盤トラブル。次も・・・?

私は2歳の娘と9ヶ月の息子の母です。
1人目の妊娠中、順調に過ごしていましたが
37wに入ったころ、突然の大量出血をしました。

そのまま救急車で病院に運ばれ
おなかの子が安心して出て来たいと思える日まで
守ってあげられなくてごめんねと
涙が止まりませんでした。

その2時間後に
緊急帝王切開で出産しました。
常位胎盤早期剥離でした。

幸い里帰りしていたので
病院への連絡もスムーズにいき、
娘は小さいながらも元気に生まれてきてくれました。

そして去年2人目を妊娠。
前回、胎盤早期剥離になったこともあり
病院では気をつけて診察していただき
妊娠中は問題なく過ごすことができました。

1人目が緊急帝王切開だったので
2人目は38wで予定帝王切開でした。

術中は何事もなく進み
赤ちゃんの産声を待っていましたが、
とてもか弱い声が聞こえただけで
赤ちゃんの呼吸が苦しそうだからと
そのままNICUに入院になりました。

RDS(新生児呼吸窮迫症候群)だと説明があり
肺の機能が未熟なまま生まれてしまったので
空気を吸ったときに肺が膨らまず
苦しい状態です、と。

出生時に軽度の新生児仮死が認められ
脳への影響がないか
MRIでの検査となり、足を動かす司令を
出す場所に虚血が見つかって
今後の成長過程で足に障害が出る可能性がある
とのことでした。

虚血の原因として
胎盤を病理に出したところ
出生後にモニターをつけてからは安定していたので
もしかしたらおなかにいるときから
少しずつ胎盤の酸素の供給がうまくできなく
なっていたのかもしれないと言われました。

また、胎盤・・・

1ヶ月検診のときに
「私の体は胎盤を作るのが下手なんですか?」
と先生に聞きました。

1人目も2人目もたまたまで
必ず繰り返すわけじゃないから
次の妊娠を諦める必要はないですよと
言われました。

私の体の問題だとしたら
今回で妊娠は最後にしようと思っていました。

もともと私たち夫婦は
お互い3人きょうだいで、とても関係性がいいので
3人がんばってみようと思っているところではあったのですが

私としては娘、息子のことがあったので
次の子を私のおなかに宿していいのだろうか
と日々悩んでいます。

そしてある日、夫が
「3人目がいたらまた楽しいだろうね」
と言ってるのを聞いて

この不安な気持ちと
私と子どもたちに起きた出産出生時のトラブルに対して
あなたは怖くないの?

と怒りが込み上げ、
同時に気持ちも溢れ
「次はおなかの中で死んでしまうかもしれないでしょ?!」
と、怒鳴ってしまいました。

私も、もし赤ちゃんがまた来てくれたらなと
思いますが
次も・・・?と思うと怖くてしょうがありません。

先生のお話を信用していないわけではありませんが
立場上、次はやめておいたほうがいいね
とは言えないでしょうし、実際はどうなのか・・・

きっと、胎盤トラブルを抱えて
次の妊娠を踏みとどまっているお母さんたち
たくさんいると思います。

HISAKOさんのお話を聞いて
前に進める方も、
気持ちの整理をつけて、また新たな方向へ
向かえるひともいると思います。

どうぞよろしくお願いします!

↑↑

胎盤は、ママと赤ちゃんの栄養や酸素の受け渡しを
する大事な臓器でたくさんの血液が流れています。

第1子のときに起きた胎盤早期剥離。
赤ちゃんが産まれる前に
先に胎盤が剥がれてしまう胎盤の異常です。

剥がれる程度はさまざまですが
剥がれた部分は母体血から胎児血への
酸素供給がストップすることになるので
赤ちゃんにとって胎内が
快適な環境ではなくなります。

はがれた部分から
時間をかけてジワジワと・・・
あるいは一気にドバドバと、
とめどなく出血し続けることになり

母体は血液中の凝固因子をどんどん使って
出血している場所を止血しようとします。

ついには凝固因子のストックがなくなって
出血が止まらなくなるという悪循環に陥ります。

子宮内に血液が充満して
子宮の筋肉の隙間にまで浸潤してしまうと
急いで帝王切開にして
赤ちゃんと胎盤を子宮内から取り除いたとしても

すでに子宮全体が血液で浮腫んだ状態で
収縮することができず
どんなに処置しても出血が止まらなくなって
最悪の場合、子宮全摘出になることもあります。

彼女の場合、
37wで突然、大量に出血したとのことなので
予兆もなく広範囲に派手に
胎盤が剥がれてしまったのではないかと思いますが、

それでも、剥がれたのはほんの一部であり
正常な部分で酸素供給がまかなえたため
緊急帝王切開まで赤ちゃんは元気を保ってくれたのだと
思います。

発症→診断→処置までの
時間がいかに迅速であるかが
母子の命を救うカギになるので

里帰り中ですぐに対応できたことは
本当によかったです。
そのおかげで大事に至らず
赤ちゃんもママも無事だったんですね。

胎盤早期剥離のリスクとしては、
妊娠高血圧、子宮内のなんらかの感染症、
妊娠初期の出血(絨毛膜下血腫)
などとと言われていて

妊娠経過でそういったリスクがある妊婦の場合には
念入りに診ていくことになります。

ですが、なんの問題もないとても順調な妊婦が
ある日突然、なんの予告なく
胎盤早期剥離発症!
というパターンもけっこうあるんです。

何が原因???

今の医学ではまったくわからない
胎盤早期剥離もあります。

つまり、どんな妊婦にも起こり得る可能性がある
ということですよね。

そして本当に、それは突然起こるので
どんなに腕のいい産科医でも
事前に予測するのは難しいと言われています。

胎児が妊娠週数に比べてずいぶん小さめで
もしかしたら胎盤の発育に
なんらかの問題があるのかも?
という場合には胎盤早期剥離のリスクは上がります。

第1子ちゃんは
「小さいながらに元気に生まれてきてくれた」と
ありますが、

妊婦健診で「週数に比べて発育が遅い」
と言われたことはなかったでしょうか?

受精卵が子宮内膜に根をおろして
一部が胎盤になっていき、
一部が赤ちゃんになっていきます。

なので、胎盤の形成、成長は毎回
その妊娠限りのものです。

胎盤の発育が悪くなる原因は
子宮内膜の問題、着床の問題、臍帯の付着位置の問題、
胎盤の位置の問題などが関わっていますが、

それらの問題は
その妊娠で〝たまたま〟起こったこと。

胎盤の育ちが悪くて
その結果、小さい胎盤になったり
少ない栄養の受け渡しになれば
胎児発育遅延といって
赤ちゃんの発育も悪くなります。

染色体異常とか、なんらかの感染とか、
赤ちゃんの成長が遅れる
直接的な原因が見つからないのに
赤ちゃんが小さい・・・となったときには

『栄養供給がうまくいってない』

と考えて、
そこから、胎盤機能不全という診断名で
ひとくくりにしちゃうことが多いようです。

実は、胎盤の働きを直接的に評価する方法はなくて
エコーで赤ちゃんの状態を確認したり
羊水量を測定したり、
NSTで赤ちゃんの元気度をチェックしたりして
間接的に胎盤機能を評価するのが
現在のスタンダードです。

妊娠32w以降、胎児の肺は一気に成熟します。
自力で呼吸をするために
肺を膨らませて酸素を取り込む準備を開始します。

なので、32w未満の在胎週数で生まれた早産児は
肺を膨らますことができず、呼吸困難を起こします。

第2子は38wで生まれたので
通常なら肺の機能は成熟しているはずでしたが、
実際には自力呼吸が難しい状態でした。

胎児期には、
赤ちゃんの肺は羊水で満たされていて
経膣分娩で狭い産道を通るときに
陣痛(子宮収縮)によって胸郭が圧迫され
それまで肺や気道を満たしていた水が
半分程度に絞り出されます。

また、陣痛時に分泌されるホルモンが
肺水を胎児の血液中、リンパ管へと
吸収させます。

つまり、経膣で狭い道を絞り出されるように
生まれてくることで
赤ちゃんは力強く空気を吸い
初めて空気を肺に入れることができるのですね。(産声)

なので、陣痛前に予定帝王切開だった場合、
肺水の排出、吸収がうまくいかないことがあり
呼吸障害の発生率が上がります。

起こったのが呼吸窮迫だけなら、
帝王切開だったもん、
呼吸障害起きてもしょうがないよね、
という考え方もできるのですが

加えて脳の一部虚血があったということは
分娩形式の理由だけではなく
おなかの中での酸素と栄養の
供給が厳しい状況(胎盤機能不全)が
あったのかもしれないな・・・という気がします。

でも、先述したように
胎盤の形成は1回1回の妊娠限りのものです。

第1子のときの胎盤早期剥離
第2子のときの胎盤機能不全

どちらも妊娠中のトラブルはなかったことから
まったく別の機序で起きた
偶然のハプニングだと思うんですよね。

つまり、たまたま2回、
胎盤の問題が重なっただけで
次回妊娠で再び・・・ということは
そんなに考えなくてもいいかなと思います。

また、産科医の立場として
次回の妊娠が母子の命に関わるリスクが
考えられる場合には
残酷なほどに冷淡に
「もう妊娠はやめたほうがいい」
と、はっきり言うと思いますよ。

もちろん毎回
妊娠はどんなハプニングが起きるか
わかりません。

次回の妊娠で問題が起こらないとも
言えません。

躊躇してしまうママの気持ちはよくわかります。
怖い経験をしたんだもんね。
当然のことだと思います。
そして今も、第2子の障害が出る可能性と戦っているのですから
迷って悩んで答えが出ませんね。

次がどうなるかなんて
誰にもわからないけど

あなたは
「胎盤をうまく作れない体」ではないはず。
胎盤を作り、機能させることができたから
現に子どもたちは2人とも
正期産で生まれてきたんですよ。

人生はたった一度きりです。
その上で、3人目にチャレンジするかどうか
よく考えて決断してくださいね。

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