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2021.11.24

妊婦健診。超音波検査でどんなことを診てるのかな?

体重測定や血圧測定、尿検査は
全然楽しくないですが(^◇^;)

妊婦健診での一番の楽しみといえば
超音波エコーですよね!

おなかの中の赤ちゃんの
指しゃぶりやあくびが見られたり
性別がわかったり。

元気に動く赤ちゃんを
見られるのはとても幸せな時間です。

妊婦さんの満足、楽しみ♡
という意味合いが強い超音波検査ですが

医学的には
妊婦さんたちにはよくわからない
いろんな情報を、超音波検査から得ています。

超音波には
体の中は見えやすいけど
外側は見にくいという特徴があります。

そのため、生まれてすぐに
見て気づく外見上の小さな異常は
出生前の超音波検査では
見つけられないことも多いです。

産科で行われる超音波検査は
細かく見るのに適した時期が
妊娠初期、中期、後期に3回ぐらいあり

施設によっては
最低限の回数しか検査しないところもあるし、
毎回エコー検査をしてくれる産院もありさまざま。
(海外では最低回数がスタンダード)

当然、胎児が大きいほうが
臓器も大きく育っているので詳細まで
見やすくなるのですが、

妊娠後期になると
胎児の骨も硬く太くなってきて
超音波が骨に遮られて
その後ろにある臓器が見えにくくなる
という欠点があります。

なので、
大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、
胃腸、腎臓、膀胱、外性器、骨格、四肢・・・

赤ちゃんの頭のてっぺんから足の先まで
細かくチェックしていくような
超音波スクリーニング検査を
希望する場合は妊娠中期の後半が
もっとも適しているといえます。

「スクリーニング」とは、ふるいにかける、という意味。
つまり、スクリーニング検査は
『出生前診断』に該当します。

生まれる前は確定診断ができないことも多い、
超音波検査は万能ではない。
それでも調べたいのか?

生まれた後にわかっても
治療成績は変わらないのだとしたら
知らないでいる権利という考え方もあります。

一方で、どんなに小さなことでも
確定診断じゃなく「疑い」であっても
心の準備のために早く知っておきたい
という妊婦さんもおられます。

なので、すべての妊婦さんに必要となる
基本的な超音波検査

・胎児心拍の確認
・胎児の向き
・羊水量
・胎盤の位置
・胎児発育

この範囲を超えた
細かいスクリーニングは
「希望者が受けるもの」です。

妊娠初期では、
プローブを膣内に挿入して
経膣で超音波検査を行います。

胎児が1人なのか、2人なのか。
子宮内に正常に妊娠しているかどうか。
胎児心拍が確認できるか

などを確認します。

多胎の場合は胎盤や赤ちゃんを隔てる膜の
様子を観察します。

また、胎児の大きさを測定して
出産予定日を決めます。

妊娠中期(16w)ぐらい以降になると
赤ちゃんが大きくなってくるので
おなかの上からプローブを当てて見る
経腹超音波検査に変わります。

・胎児の大きさが週数基準に入っているか。
・羊水量は多すぎたり少なすぎたりしないか。
・胎盤はどの位置にあるのか。
・胎児の脳への血流や臍帯の血流に問題はないか。
・子宮口の状態、切迫流早産の兆候はないか。

超音波検査の得意とするところは
赤ちゃんの形態異常の発見ですが、

なにか形態的な個性が見つかったとしても
必ずしも病気とは限らず健康であることも多いです。

超音波で見えやすい場所、見えにくい場所があるので
すべての形態異常が
超音波で見つけられるわけではないし、

そもそも形態異常を伴わない病気もたくさんある中で
出生前に超音波でわかる異常は
全体のたった30%程度です。

生まれてみてはじめてわかる異常や
生まれたあとにもすぐにはわからないような異常のほうが
ずっと多いんです。

妊娠出産はいつの時代も命懸けです。
今日までは順調でも
明日、どんなトラブルが起こるかわかりません。

多くの妊婦さんにとって
超音波検査はわが子の記念撮影と
感じることもあるでしょう。
3D、4D超音波などはその典型例です。
(胎児評価は白黒の2D超音波でしかできない!)

妊婦さんの気持ちをアゲアゲにして
ママになる心の準備に貢献する
ことも医師の役目。

と同時に
超音波検査はママと赤ちゃんを守るための
とても重要な医療なのです。

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