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2022.09.23

発達障害児の他害

わが家のななちゃんは
一見どこにでもいる普通の中学生。

だけど実は
「こんな簡単なことが?」
と思うようなことが人一倍苦手だったりします。

発達障害は、
一見普通に見えることから
他人からは理解されにくい障害です。

わたしが娘のことを
発信している理由は、

少しでも多くの人に発達障害について
正しく知ってもらうことで
当事者だけではなく
その周囲で過ごす人も含め、
みんなが楽に過ごせると思うからです。

ななの困りごとは
定型発達のわたしたちには
予測もつかないほど小さく些細なことだったりします。

思いもよらないことで
大きく傷ついていることが
後になって発覚するときもあります。

例えば、彼女は

『運動会でみんなとエイサーを踊る』
『全校集会で校長の話を最後まで聞く』

こんな当たり前のことへのハードルが
すごくすごく高いです。

中学生になって
「今こんなことに心が落ち着かない」と
言葉で伝えることを
彼女自身が努力していて、

実際それができる場面も
増えてきていますが

その前に
感情が爆発してしまうこともあります。

本人はそうしたくてしているのではないので
苦しいだろうなぁと思います。

家庭、学校。
彼女に関わる多くの方々に
彼女が少しでも居心地のいい場所で
笑顔で過ごせるように
環境を整えるための工夫や配慮を
お願いしていますが

やはり発達障害ではない人から見ると
ななの態度や行動は
傲慢でわがままに映るでしょう。

わたしがお願いする配慮も
過保護な親だと映るかもしれないし、
不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。

小学生の頃、
彼女はよく教室で暴れました。

友達の作った作品をぐちゃぐちゃに壊す。
激しく上靴を投げつける。
いきなり殴りかかり噛みつく。
死ね!消えろ!泣き叫びながらパニックになる。

突然発動する問題行動だけを切り取れば

いったい何が起きたの?

何に対して
ななが怒ったのか理解できず
当事者の置かれた状況や
理由を突き詰めることなく短絡的に
周囲はただただ困惑、
理不尽すぎる行動に
腹のひとつも立つことでしょう。

だけどなな本人も、
なんで自分はこんなにいろんなことに
イライラして我慢できなくなるんだろう・・
と、ショックを受けています。

そして、
ヒステリックな行動に出た自分に向けられる
周囲の冷ややかな表情や態度、
もしくは腫れ物に触るかのような逃げの姿勢を
敏感に感じ取ってしまいます。

そうするともう負のスパイラルで

みんなが自分を認めてくれない!
みんなが自分を変なやつだと思っている!
みんなが自分を嫌っている!

気持ちの高ぶり、不安は
もう止まりません。

結果として
彼女は自分自身を守るため
『他害』という行動に出てしまいます。

つまり、すべてそうせざるを得ない
彼女なりの『理由』があるのです。

わたしは、ななを特別扱いして
許してほしいわけではありません。

どんな診断があり、どんな立場であっても
他人に手を出すことを
許すべきではないと思っています。

ただ、視点を変えてみると
理不尽な他害と思われていることが
理由のある防御反応であると気づき
受け止め方が変わることもあると思うのです。

先日、長女の娘、
りりちゃんの3歳の誕生日で
手巻き寿司パーティーをしました。

焼き海苔に適度な量のご飯を乗せて
自分の好きな具材を選択し
組み合わせて巻き
オリジナルのお寿司を作るという
子どもたちがワクワクする食事会です。

ななは、

いつ、何を、どのようにするのか

具体的に示してあげると
安心して動けますが

周りの情報を自ら選んで取り入れ
整理することが苦手です。
あいまいな状況に混乱しがち。

なので、
入ってきた情報(複数のお寿司の具材)の中で
何を選んでいいのかわからず混乱してしまい
どの順番で身体を動かせばいいのかわからず
食べたいのに手が止まってしまいモヤモヤ・・・

そこへ、きょうだいたちが
もうすぐ開催される
運動会の話題で盛り上がり始めました。

ななは、
運動会などの学校イベントが大の苦手です。

何のためにするのか?
その意味は?

を、深堀して考えすぎてしまい

意味を見出せなかったことに関しては
不安と嫌悪しかないようで、
頑なに参加を拒みます。

感覚も過敏なので
他の人は気にならない音などの
刺激に極端に疲れてしまったり

何年も前の過去の運動会での嫌な経験を
まるで今この瞬間に味わっているかのように
クリアに思い出し
パニックになってしまったりします。

手巻き寿司にイラ・・・
そこへ重ねて運動会の話にイライラ・・・

さらに、5歳、3歳、1歳が
ななの周囲をうろちょろしながら
ご飯粒を撒き散らす!

あ〜もうダメですねー。(゚o゚;;

みるみる涙目になったかと思うと
手に持っていたお寿司を思いっきりブン投げて(^_^;)
部屋に戻ってしまいました。

周囲から見たら
理解不能なただの怒りん坊ですよね。

ですが、本人としては

「いつもと違う、
自分で作らないといけない手巻き寿司。
しかも運動会の話題。
小さい子が目障り!」

いろんなストレスが重なり
苦手なことから逃れたい気持ちが
飽和状態になって爆発してしまったわけです。

感情を爆発させることで
ななは自分を守ろうとしました。
理不尽なようだけど、本人にとっては
理由がある防御反応でした。

投げたお寿司は
片付ければいいだけのことですね^ ^

発達障害児を抱えるママとして、
定型発達の人に我慢してもらい
無理に一緒に過ごさせたいとは
思っていません。

発達うんぬんに関係なく
どんな状況にあっても
「他害は許されない」からこそ

何かトラブルがあったときには
せめて、その子の悪意の有無に着目してもらえると
ありがたいなぁと思います。

ななの問題行動の数々は
「困った結果の反射」であって
他人を不愉快にさせたいわけではありません。

その行動をしてしまうことに
本人はとても苦しんでいるのに
どんなに努力しても改善できない・・・

それって辛いですよね。
めっちゃしんどいと思う・・・。

変な行動や迷惑をかけるような行動を
してしまうことがある彼女。

本人はずっと努力しているし
周囲とうまくやっていきたいという気持ちは
ずっと持っています。

がんばってるんだけど
友達と仲良くしたいんだけど
次々に困りごとが勃発してきて
どうしていいのかわからないのです。

先日、ななは学校で
先生に手を出し怪我をさせてしまいました。

「身体の傷は時間が経てば治るから大丈夫。
それより、ななちゃんの心の傷のほうが
心配です」

と、被害に遭った先生は笑って
受け止めてくださいました。

問題行動には本人なりの理由があり
周囲に迷惑をかけたい気持ちはなく
本人も止めたいと必死に戦っていることを
理解してくださっていることが
親として、本当に嬉しかったです。

発達障害児の思考回路、
独特な認知の仕方を想像することは
容易ではないかもしれませんが、

その子が持つ特性の把握と
環境の見直しさえあれば
みんな笑顔で社会適応できるはずなのです。

実際、ななは
学校ではときどき衝動性が抑えられずに
問題行動を発動させてしまいますが

発達支援センターでの活動の中では
通い始めてから一度も
かんしゃくを起こしたことはなく
笑顔で楽しく活動できています。

この差は何なのか?

発達支援センターでは
ななの持つ特性の把握と
環境の見直しが適宜行われ
スタッフ全員が情報共有できているからに
他なりません。

特性は、ななの中に根付いていて
どんな関わりがあろうとも
治ることはありません。

治らないけど、関わり方次第で
特性とうまく付き合いながら
笑顔で社会適応することは可能なのだと
支援センターでの活動の様子を見ていて
実感しています。

診断のある人の起こした迷惑行為。

理不尽な行動の背景は
単純ではなく、もっと複雑。

問題行動が見られるのは、
周囲の特性理解不足と環境整備に
不備があるからです。

特性を持つ子たちが穏やかに過ごせるように
そして周囲の人たちも笑顔でいられるように
わたしたちに何ができるかな?

という豊かな想像力を
持って関わっていただけたら・・・

と願ってやみません。

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