
お産で過呼吸になったらどうしよう

初めてのお産。
陣痛が強くなっていよいよクライマックスが
近づいてくると
もっと痛くなるのかな?
もう限界なのに
これ以上がんばれないかもしれない・・・!
強い不安や緊張から
何度も息を激しく吸って吐く、を
繰り返してしまうことがあります。
二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまうと
血液の中では炭酸ガス濃度が低くなってしまいます。
すると、呼吸をつかさどる中枢神経は
炭酸ガス濃度の低下を抑えるために
呼吸を抑制しようとします。
本来の呼吸は
「吐き切ってから吸う」のが自然なのですが
「吐き切らないうちに吸う」のを繰り返すことで
本人は吸おう吸おうとしてるのに
酸素が入ってこない!
苦しい、助けて!
そうなると
もうパニックですよね。(T-T)
息苦しさから逃れるために
余計に激しく呼吸をしようとしてしまいます。
過呼吸の状態が長く続くと
炭酸ガス濃度が低下して
血液がアルカリ性に偏ることで血管が収縮し、
手足のしびれや筋肉のけいれんが起きたり
ときには
胸の痛み、めまい、動悸、ふらつきが
起きることも。
未知なる陣痛に加えて
こんなワケわからん症状が
一気に乗っかってきたら
何コレ〜〜〜〜〜!!!!(゚o゚;;
わたし死ぬかも!
さらに大パニック!!
さらに浅い呼吸!
どんどん悪循環になっていきます。
人間は知らないこと、未知のこと
予測がつかないことに
極度の不安や恐怖を感じます。
お産と過呼吸(過換気)は
切っても切れない相棒みたいな関係なのですが
その知識がないまま分娩中に
過換気症状が出現したら
恐怖のあまり、
パニックになってもおかしくありませんね。
わたしも12回のお産で
何度か過換気症候群になりました。
フー・・・と長く細く息を吐いて
陣痛を逃すことを意識するものの
強い陣痛になってくると
つい吐き切る前に吸ってしまう
浅い呼吸(過呼吸)を
やらかしてしまうんですよね。(^◇^;)
過換気症候群のメカニズムを知っていたら
症状が出たところで
パニックにはなりません。
『事前に知っている』って
本当に大事な要素なんです。
自律神経のうち
副交感神経が優位になるとリラックスします。
陣痛中も長く細く吐いて
ぽわ〜んとリラックスしていられたら
副交感神経を立って
お産もスムーズに進むのですが
なかなかそんなうまいコトいきませんね。
興奮、痛み、不安、恐怖、緊張、
交感神経が過度に活発化すると
過呼吸を誘発してしまいます。
わたしの場合、
緊張、不安、恐怖よりも
体育会系ノリの
「よっしゃ、やったるで!」的な、
前向きな大興奮ですが、
それも立派な交感神経優位だから・・・ダメですね。
以前は、過換気症状が起きたら
紙袋やビニール袋を口に当てて、
一度吐いた息を吸わせることで
血液中の炭酸ガス濃度を上げる
ペーパーバック法が主流でした。
わたしも妊婦教室では
「紙袋を持参で入院しましょう!」と
よく話していました。
ですが、紙袋を口に当てて
呼吸をすることの圧迫感で
ますます不安が高まってしまう人がいたり
自分の吐いた息を吸いすぎて
体内の炭酸ガス濃度が
必要以上に上がってしまったり、
紙袋で呼吸をした状態で
過呼吸が続いていれば
だんだん紙袋内での酸素濃度が低下し
本当に酸素が足りなくなって
赤ちゃんに十分な酸素を
供給できなくなる可能性もあるため
紙袋法は逆に危険だと言われていて
現在は勧められていません。
ちなみに、
過呼吸という症状だけで
死ぬことは絶対ないからね!
(めっちゃ苦しくて怖いけど)
まずは落ち着いて、
陣痛の合間、ゆとりのあるときに
意識的に呼吸をゆっくりにしたり
断続的に呼吸を止めて
二酸化炭素の量を増やすことで症状は改善します。
とにかく落ち着くことを心がけます。
落ち着くためにすべきことは
呼吸を整えること。
呼吸を整えるためにすべきことは
吐く息に意識を向けること。
長く細く、吐き切ってから吸うこと。
分娩時以外、
日常生活で大きな不安や過度な緊張を感じる状況下で
過呼吸を繰り返し起こしたことがある人は
お産のときに
過呼吸になったらどうしよう・・・と
とくに身構えてしまうことも
あるかもしれません。
陣痛=強い精神的なストレス
ですから。
パニック症候群、不安神経症、うつ病など
心に不安を抱えている妊婦さんは
分娩時に少しでも副交感神経優位、
リラックスして臨む目的で
『無痛分娩』を積極的に選択すると
過呼吸を防ぐことができます。
陣痛が恐怖で無痛分娩に逃げた
弱虫でダメなわたし
ではありません。
それはつまり、赤ちゃんにとっても
生まれる最後の最後まで
しっかり酸素が供給される楽なお産。
とても前向きで
主体性のある選択なのではないかと思います!






